早わかり!「なごやアクティブ・ライブラリー構想 第1ブロック施設整備方針」

(時間がない方は赤字だけ読んでね!)

 名古屋市が発表した名古屋市図書館の再編計画のことです。

名古屋市図書館は現在21館(基本的には1区につき1館)ありますが、古い施設が多くなってきました。そこで、予算面で効率的な運営を図る目的で作られたのが、このなごやアクティブ・ライブラリー構想です。ざっくり言えば、市内を5つのブロックに分け、今後30年かけて整備していく計画です。

 現在の名古屋市図書館は、中央図書館以外の各区の図書館は、本の冊数・サービス内容についてあまり大きな違いはありませんでした。けれど、新しい計画では、中央図書館以外はすべて規模の違う3つのタイプの図書館に分けられることになっています。


下の表を見てください。↓

 新しい計画では、アクティブライブラリーは1ブロックに1館のみ。その他は、コミュニティーライブラリー、もしくはスマートライブラリーです。現在の各区の図書館の本の冊数は(館により差はありますが)約9~10万冊、面積は約1000~1200㎡です。近くの図書館がコミュニティライブラリーやスマートライブラリーになった場合、冊数・面積ともに大きく減少すると思って下さい。

 

 特にスマートライブラリーはとても小さい(本の冊数は現在の区の図書館の10分の1~3分の1)ため、いつ行っても本が貸出中で棚がスカスカゆっくり本を読む・勉強をする・読み聞かせをする・などのスペースが館内にないなど、サービス面での低下は免れません。


 第1ブロックは、名東区・千種区・東区・守山区す。古い図書館が多いので、最初に整備されることになっています。今回示された方針では、第1ブロックにおける3タイプの図書館の配置が以下のように決まっています。

千種区⇒アクティブライブラリー:AL(星が丘周辺)、

    スマートライブラリー:SL(新区役所庁舎内)

東区 ⇒コミュニティライブラリー:CL(場所の詳細未定)

守山区⇒コミュニティライブラリー(場所の詳細未定)

      コミュニティライブラリー(場所の詳細未定)

名東区スマートライブラリー(場所の詳細未定)

 


 現在の名東図書館の利用が少ないわけではありません。むしろ、名東図書館の本の年間貸出数は名古屋市図書館21館中5位(第1ブロックの中では1位)※、子どもの本だけだと3位※という多さです。これは、子育て世帯が多く、教育熱心な名東区の地域柄をよく表している数字だとも言えます。

 

 なのに、どうして名東区の図書館がスマートライブラリーになってしまうのか、私たちボランティアの会は繰り返し教育委員会や図書館に質問してきましたが、今のところ明確な回答はいただけていません。

 

※令和2年度の数値(名古屋市図書館年報より


 私たちボランティアの会は、今回の計画で一番影響を受けるのは子どもたちだと考えています。大人だったら、図書館が小さくなり本の数が少なくなっても、電子書籍やネット予約など他の方法で欲しい本を手に入れることができます。でも幼い子どもはその場にない本を他の手段で見つけることができません図書館には、司書が厳選した本が十分な冊数並んでいること、そして本の展示読み聞かせなどの行事を通して、子どもと本が出合う場になっていること。これが公共図書館が子供のための図書館としての役割を果たす必要最低条件です。スマートライブラリーではこの条件を満たすことは出来なのです。


 2021年7月に市民説明会が開かれました。説明会の開催について市側から積極的な告知はほとんどありませんでしたが※、それでも定員の80名を超える市民が参加されました。その場で方針についての反対意見も多く出ましたが、そのほとんどは名東区の住民からの意見でした。市はその場では回答せず、HPに意見を羅列したものを掲載するにとどめました。後日、方針の文章中の表現など若干の変更はありましたが、計画の骨子は変更しないまま教育委員会の定例会で可決されてしまいました。

 

※図書館のHPや広報なごやに掲載されましたが、方針の詳しい説明がなかったため、後になって「何の説明会かわからなかった」と言われる市民が多くいらっしゃいました。また、各図書館におけるチラシの配布や掲示などもされませんでした。


以上のように、「なごやアクティブ・ライブラリー第1ブロック施設整備方針」は、市民に対する十分説明もされないまま、2021年11月(公表から半年後)に教育委員会で可決されてしまいました。けれど、子どもたちの教育と文化を守るため、私たち名東図書館ボランティアの会は今後も活動を続けていきます。図書館の未来を一緒に考え、行動して下さる方は、ぜひお声をおかけ下さい。